見つめるナベは煮えない
外山滋比古先生の「思考の整理学」を久しぶりに読み返しました。
1986年に発行されているので、かれこれ35年前の作品になります。
短編で構成されており、語りかけるような文章でとても読みやすく、実生活に照らし合わせて考えることができます。
最後のコンピュータの内容ではAIについて書かれており、35年前に今の時代を予言していたかの内容です。
本質をとらえた作品は時代が変わっても色褪せず、改めてこの作品の偉大さを感じました。
私がこの作品で最も心に残ったのは「見つめるナベは煮えない」というフレーズです。
「見つめるナベは煮えない」
ー 中略 ー
あまり考えつめては、問題の方がひっこんでしまう。
出るべき芽も出られない。
早く煮えないか何度もふたをとって見ていても、いつまでも煮えない。
つまり、そのことばかり考えていてもなかなかうまくいかない。
焦りは禁物という意味です。
思考を整理するという内容とは少しずれるのですが、子育てでも同じことがあてはまると思いました。
子供のことを思うがゆえに、考えてあれこれ口出しをしてしまうのですが、なかなかうまくいかないことがあります。
そんな時ほど、なべを見つめず、ほおっておく。
しばらく子供から距離をおき、見守るという親の我慢が必要だと感じます。
子育てを振り返ると、もっと自由にさせてあげればよかったと思うことがあります。
「見つめるナベは煮えない」迷ったときほど思い出したい言葉です。